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「雪割草シリーズ」
待雪草

〈06〉 悩み

 ←〈05〉 求婚 →〈07〉 親の許し
助三郎が走り去ってしまった後、早苗は自室で一人考え込んでいた。

いきなりあんな事言われて、びっくりした。
ちょっとうれしかったけど、いつもの冗談だと思ったから、受け流そうかなって思った。

でも、目を見たらダメだった。
いつになく真剣だった。
訴え、同意を求めるようなまなざしに負けた。

『はい』って言っちゃった。

本当の気持ちは『はい』で間違いない。
…だけど、自分の気持ちだけじゃ決められない。それが武家。

家がある。世間体がある。いろいろ障害がある。

でも、少しの間、幸せな気分味わえる。
『結婚してくれ』って言ってくれた。
うれしい。あの人わたしのこと…。

どう思ってるの?
そういえば、言ってくれなかった。
『好き』って…。
なんでわたしと結婚?

…あの真剣さは見せかけで、ただの冗談かも。
明日、『信じたのか?バカじゃないか?』ってけなされるかも…。
どっちが早く見合い終わらせて結婚するかの競争で、わたしを落とそうとしてるのかも。

浮かれて損した…。
しょせんわたしなんかダメか。
あぁ…バカみたい。



「早苗さま、夕餉の支度ができてますよ。」
下働きの娘が早苗を呼びにきた。

「あっ。手伝わなくてごめんなさい。」

「いいえ。奥様も早苗さんもなさらずとも良いのにいろいろ手伝って、気にかけてくださいます。感謝しています。」

「そう?…はぁ。」

「お加減でも悪いのですか?」

「ううん。ちょっと疲れただけ。夕餉はいらないから。もう寝るね。」

「お風呂は?」

「…それは入る。」

「相変わらずお風呂が好きですね。」


一人風呂に入り、家族と顔を合せなかった。

「早苗は?」

「夕餉はいらないそうで、お休みになりたいそうです。」

「風邪じゃないか?」

「ただ、疲れたと…。」

「そうか、まぁいい。下がっていいぞ。」

「はい。」



早苗は、寝るとは言ったものの、机の前で考え込んでいた。
はぁ…。
あの人と顔合わせたくない。
しばらく出歩くのやめようかな。
そうすれば会わなくて済む。
そのままずっと会わずに、誰かと見合いして、結婚してここから出てけばいい。
イヤだけど、しかたない。
わがまま言ってられない。
家に有利な結婚しないといけない。
あの人がたとえわたしと本当に結婚したいとしても佐々木家に迷惑な結婚になる。


ぐだぐだ考えに沈んでいるころ、母のふくが部屋にやってきた。
「元気がないみたいですが。どうかしたの?」

「…なんでもありません。」

「では、この間見合いした方がまた会いたいと言っていたでしょう?あさって来るそうです。いいですね?」

「…はい。」

「決まるといいですね。見合い。ではおやすみなさい。」

「おやすみなさい…。」

母上はいい縁談だと思ってる。
確かに、家柄はちょうど良いくらい。
悪い人でもなかった。でも、性格が合いそうもない。
思い切って、本当の趣味行って嫌われようかな。
偽っていたら、あちら様にも迷惑がかかるし。
そうしよう……
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